入力形式と対話設計

このページは、生成規則モデルにおける「既知事実」「問い合わせ/目標」「入力形式」を整理するノートです。

ざっくりいうと

生成規則モデルは自由文を直接理解するより、機械が扱いやすい形式で入力を受け取る設計が中心でした。
そのため、ユーザー体験はアンケートやウィザードに近くなることが多いです。

既知事実とは何か

既知事実とは、現時点で真とみなす情報です。推論エンジンはこの事実を材料にルールを適用します。

例:

  • 発熱 = あり
  • 咳 = あり
  • 症状開始 = 昨日

事実の主な供給元:

  • ユーザー入力(選択肢、数値、フォーム)
  • センサーやログ
  • 既存データベース

問い合わせ/目標とは何か

問い合わせ/目標は、「何を確かめたいか」を表す命題です。特に後ろ向き推論では必須です。

例:

  • 胸部検査推奨は成り立つか
  • この障害原因は電源系か

前向き推論は既知事実から広げる方式なので、目標を置かずに動かすこともできます。

三項目入力は必須か

比較のために次の三項目で書くことがあります。

  • ルール集合
  • 既知事実
  • 問い合わせ/目標

ただし必須条件は方式で異なります。

  • 前向き推論: ルール集合 + 既知事実(目標は任意)
  • 後ろ向き推論: ルール集合 + 既知事実 + 問い合わせ/目標(目標は必須)

自由文入力は無理だったのか

「完全に無理」ではありませんが、古典的なルールベース単体では強くありませんでした。

できたこと:

  • キーワード一致
  • 限定語彙でのパターン解析
  • 定型文テンプレートの解釈

難しかったこと:

  • 文脈依存の曖昧表現の安定解釈
  • 言い換えや省略が多い自然会話の理解
  • ドメイン外の自由入力対応

このため、推論を安定化するには入力を構造化する設計が合理的でした。

事前に定義した入力形式の例

  • はい/いいえ、単一選択、複数選択
  • 数値 + 単位(体温、血圧、時間)
  • コード入力(病名コード、障害コード)
  • スロット入力(症状、期間、程度)
  • 制限コマンド(限定された問い合わせ文)

現代との接続

現在は LLM が自然文理解を担当し、ルールエンジンが最終判定と根拠管理を担当する分業が増えています。
古典方式の入力制約は厳しい一方、説明可能性と統制性では今も有効です。

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