知識表現史(時系列)

このページは 知識を計算機が扱える形で記述する 知識表現(knowledge representation)の歴史を、できるだけやさしい言葉でまとめたノートです。ルールベースモデル全体の史 より範囲を狭くし、表現形式の変遷に焦点を当てています。

記号とネットワーク(1960 年代)

初期の AI では、概念を ノード、関係を リンク とした セマンティックネットRoss Quillian らの心理言語学的モデルに端を発する説明が一般的)が注目されました。「意味をネットワークで持つ」という直観は、その後のオントロジーやグラフデータにもつながります。

フレームとスクリプト(1970 年代)

Marvin Minskyフレーム は、スロットとデフォルト、継承といった オブジェクト的な知識の箱 を提案しました。Roger Schankスクリプト は、典型場面(レストランなど)の手順知識を 時系列の枠 で表す試みとして知られます。

これらは 生産規則だけでは書きにくい 階層・文脈・典型例を扱うための補助線でした。

論理・ルール・オントロジー(1980 年代〜)

ルール(if-then)と 論理(述語論理、記述論理)の両方が、知識表現の言語として並立・統合されてきました。1990 年代以降は Web 上の共有語彙として オントロジー(RDF、OWL など)が整備され、意味の相互運用が実務の課題になりました。

いまの位置づけ

大規模言語モデルが「暗黙の知識」を抱える一方で、規制・医療・設計などでは 明示的な知識グラフとルールが依然として不可欠です。知識表現は「AI の古い話」ではなく、説明責任とデータ統合の基盤として再評価されています。

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